がんが肺に転移し、かかりつけの日本一のがんの病院から治療不能、末期がん宣告を受けた僕は、奇跡的完治を目指し、遠方の病院で標準治療とは異なるラジオ波焼灼療法という治療を受けることにしました。
いよいよ転移性肺がんラジオ波焼灼療法開始のはずが…
この日はラジオ波焼灼療法で日本一の実績がある病院の入院日です。
胸部レントゲンを撮影して診察を受けました。
担当医は前回セカンドオピニオンを受けたラジオ波焼灼療法で日本一著名な医師とは別の医師でした。
その医師から耳を疑う言葉が出てきました。
基本的には適応がない。
血管の近くに病変があり、本当はこちらを処置したいが血管を傷つけるリスクが高い。
ただ、大きくならなければ放置してもがんによる血管損傷のリスクは少ない。
治療しても良くなることが期待できない状況で、リスクを冒すべきかどうかを検討した方がいい。
腫瘍の数を減らすことが全く意味がないとまでは言えないので、前回セカンドオピニオンで話した責任者と実施が決定していた病変を治療することにするとのことでした。
なんなんだ?
なんなんだこの病院は?
なぜ病変も情報も変わりがないのに、前回の診察時と入院時でこうも話が違うのだ?
こっちは適応ありとこの責任者から言われて、遠方からわざわざ長期休暇を取ってきているのです。
病院内の意思疎通はどうなてるんだと憤りを覚えました。
翌日、血液検査、心電図、肺機能検査、胸部造影CTを行い、翌日治療を行うことになりました。
転移性肺がんラジオ波焼灼療法治療当日、まさかの展開にあぜん…
そして治療当日。
またしても今回の主治医から信じ難い言葉が出てきました。
全部を治療できなければ、治療しても良くなることは期待できない。
血管付近に腫瘍があるので治療によって血管を傷つけるリスクと、それを避ければ良くなることは期待できないという状況で、治療すべきかを再検討した方がよいとのことでした。
数日前、同じことを話した結果、治療することになって今日を迎えたんじゃないか?
それは本来診察時に分かることなのに何故入院し、治療当日にこんな話になるのか?という不満をぶつけつつも、僕は今日の治療は中止し、明日改めて質問したい旨を伝えました。
この病院にセカンドオピニオンに来た日、僕ら夫婦には明るい希望の光が差し込みました。
その希望を胸に帰路につき、前向きな気持ちでこの入院の日を迎えたのです。
こんなことがあっていいのか?
医療がこんないい加減であっていいのか?
ましてや僕は地元の人間ではなく仕事もしています。
それなりの負荷をかけて、この日この病院にいるのです。
セカンドオピニオンと診察を担当した責任者と、今回の治療の担当医、どちらの責任かは分かりませんが、この病院の責任であることは間違いないです。
責任者の医師が第二候補の病院の医師の見立てより、腫瘍の数を少なく見積もっていたことが思い出されました。
腹が立って腹が立ってしょうがなく、悔しくて悔しくて仕方がありませんでした。
続く。