がん闘病記

分節動脈塞栓術と腫瘍脊椎骨全摘術と自家液体窒素処理骨移植の説明

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僕は唾液腺がんが肺に転移し、がんのかかりつけの病院で治療不能、末期がん宣告を受けました。

それでも奇跡的な完治を目指して他院で転移性肺がんのラジオ波焼灼療法を実施するも、今度はその病院で脊椎に転移が見つかりました。

ラジオ波焼灼療法は全てのがんを取り除けなければよくなることはないので継続しても意味がなくなります。

がんのかかりつけの病院に提案された脊椎の治療法が完治目的でなかったため、奇跡的完治のための治療法を調べ、腫瘍脊椎骨全摘術(TES)という治療法にたどり着き、術前の検査は全て問題なしでした。

唾液腺がん脊椎転移に対する腫瘍脊椎骨全摘術前の分節動脈塞栓術

検査の6日後、手術の2日前、分節動脈塞栓術を受けました。

これは、摘出予定の脊椎に走っている血管からの出血を抑えるための処置です。

局所麻酔で右大腿動脈からカテーテルを挿入してぐんぐん血管を上がっていく。

摘出予定の脊椎に走っている2本、上下の脊椎各2本、計6本の文節動脈に対し、塞栓物質(プラチナ製金属コイル、粒状塞栓物質(直径0.3~0.5mm程度)を注入して血流を遮断し、約3時間で無事終了しました。

気のせいかもしれませんが、血管を通る感覚が時々あったように感じました。

血管に詰め物をしていくとだんだん肩こりのような感じはしてきましたが、術後は殆ど感じなくなりました。

途中寝そうになった程痛みは全然ありませんでした。

カテーテル術はドラマの医龍で観たのを思い出しました。

22時頃まではベッドに完全仰向けで、足も曲げてはだめですが、腕は自由に動かしていいそうです。

寝ながら食べられるようパンを買っておくよう言われたのですが、何も考えずにデニッシュを買ってしまいました…

ベッドを汚して申し訳ないです…

がん脊椎転移の腫瘍脊椎骨全摘術、自家液体窒素処理骨移植の説明

分節動脈塞栓術の翌日、いよいよ手術の前日だ。

この日、主治医から改めて詳しい手術の説明があった。

腫瘍脊椎骨全摘術は、背側を切開し、腫瘍のある脊椎の後方部分(椎弓)を切除し、脊髄から左右に枝として出る神経(肋間神経)を切離します。

次に椎体を前面から剥離した後、腫瘍のある脊椎を挟んで上下の脊椎にスクリューを挿入します。

脊椎の前方部分(椎体)を糸鋸で切り、後方から腫瘍におかされた脊椎骨を取り除き、取り除いた部分に腫瘍骨を凍結したものをCage(人口椎体)に詰めて固定します。

これは自家液体窒素処理骨移植という保険外診療の先進医療です。

Cageに詰める腫瘍は液体窒素で凍結されるためがんは完全に死滅していますが、がんである印は残るため、それを攻撃するために免疫が活性化すると考えられます。

これがわざわざ取り出した腫瘍におかされた骨を体内に戻す狙いです。

ラジオ波焼灼療法は先進医療が終了していましたが、今度こそ先進医療なので、保険外併用療養費制度により、これ以外の医療費は保険が適用されます。

先進医療でなければ、保険診療と保険外診療の混合診療が認められないため、通常保険診療できるものも全部自費になってしまいます。

先進医療は生命保険の特約がやっと日の目を見ます。

術後はドレーンが抜けるまでの数日間はベッドで安静となります。

ドレーンが抜けたら装具(北斗の拳のザコが着てるプロテクターみたいなもの)をつけて歩行を開始し、全身状態が改善次第すぐにリハビリを開始します。

合併症として以下などがあり得ます。

  • ショック
  • 薬による肝・腎障害
  • 感染症
  • 神経障害(肋間神経痛など)
  • 血栓塞栓症
  • 脂肪塞栓症
  • 金属の脱転(金属が緩んで抜けたり、壊れたりすることで、必要に応じて再手術する場合あり。)
  • 隣接椎間障害(5年~10年後、固定した上下の椎間にかかる負担により、固定上下の脊椎の変形、脊椎のずれを起こす可能性がある。)
  • 脳脊髄液漏出症(髄液の漏出により頭痛や全身状態の悪化や生命にかかわることがあり、程度により点滴や管の挿入や再手術が必要。)
  • 術後血腫
  • 気胸
  • 血胸
  • 乳び胸
  • 肺炎

今回体内に埋め込む金属に、感染症リスクを下げる目的で、チタンの面をイソジンでコーティングしたものを用いる臨床試験への参加を打診され、了承しました。

本番の手術は8:30から手術室に入り10:00から始まり、7~8時間くらいかかるそうです。

医師の方たちにとってもとても大変な手術です。

脊椎を全摘するのだから大きなリスクがあるのは当然です。

それでも、僕は奇跡的完治を目指すためにこの手術を受けるのです。

続く。

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