唾液腺全摘術、リンパ節郭清から約1年半が経過していました。
唾液腺がん全摘術、リンパ節郭清後に肺転移
僕はかかりつけの病院での定期検査とは別に、独自に別の病院で肺がん検診としてCTを年に1回受診していました。
かかりつけの病院を信用していなかったからです。
電話が鳴った。
先日がん検診を受けたその病院からでした。
後日精密検査が必要とのことでした…
ついに恐れていたことが起きたか…
肺転移。
転移したらまず治療はできないと言われていた肺転移…
がん検診の結果を聴きに病院を受診しました。
肺ヘリカルCTで、両肺に5個程度、5mm以下の影が見つかり、転移の可能性が高いとのことでした。
両肺に影があるため手術は難しい可能性が高い。
他に転移がないかを確認するため、以下の検査を行うことになりました。
結果、肺以外には転移は確認されませんでした。
奥さんと自分のためにも転移性肺がんでも奇跡的完治を諦めない
奥さんにその話をしたら号泣していました…
『もう、助からないってこと…?』
正直ここまで奥さんが悲しむとは思っていませんでした…
人の心なんて分からないものです…
思っているより伝わっていなかったり、思っているより伝わってしまっていたり…
僕はこんなに愛されていたんだな…
それが嬉しかった…
僕は最初にがんが見つかってから約9年間、自分のがんのことで落ち込むことも泣くこともありませんでしが、やっぱり奥さんの涙は堪えました…
『何か治療法がないか調べてみるよ。』
『もし治療法がなくても、自然治癒力で治る可能性だってあるからね。』
『そう…だよね…』
泣きながら、絞り出すように奥さんがそう答えました。
僕が奥さんを悲しませないためにできることは、諦めずに前を向いて生きることだ!
その姿を見せることだ!
そう思いました。
頭の片隅で覚悟をしていたせいか、僕の頭は割と冷静でした。
最初にがんになった時と同じだ。
僕はいつでも何か困難な状況にぶつかると、自分の意思でできることをやるだけだという思考になります。
僕は治療の可能性を調べまくりました。
標準治療のガイドラインでは、がんは他臓器に転移したなら全身にがんが転移している可能性が疑われ、手術などの完治を目的とした局所療法は行いません。
あとは抗がん剤を使った延命のための全身療法か症状緩和のための治療のみです。
見つかった治療法はすべて標準治療からは外れた効果が証明されていないものだけです。
過去のデータでは効果が証明されていない治療ではありますが、証明されていないということは実際に効果がないということではないはずです。
今の状態から奇跡的な完治を目指す!
その姿を奥さんに見せるんだ!
そう決めました。
ただし、いくら奇跡的な完治を目指すといっても、標準治療のガイドラインから外れた治療を自己責任で行うからにはリスクの見極めは非常に重要です。
転移性肺がん治療法候補、ラジオ波焼灼療法
みつかった治療法すべてのメリットとデメリットの比較表を作成して検討し、第一候補にラジオ波焼灼療法(RFA)が浮上しました。
肺に細い管を入れ、電子レンジと同じ原理で腫瘍を焼く治療法で、体への負担が少なく、日帰りで行うケースもあります。
肝臓がんでは既に保険適用されていて、肺がんに対しては保険適用を検討する段階にある先進医療に認定されている治療法です。
これなら体への負担という意味ではリスクはかなり少ないです。
ただし、保険適用がないので費用面でのリスクは高いが、少し光明が差した気がしました。
がん検診の結果をもって、後日かかりつけの病院で定期検査のMRIと診察を受診しました。
説明の内容は次のとおりでした。
最初から説明されていましたが、僕のがんの性質上抗がん剤も放射線も効かない。
ホルモン療法の適応があるかを病理部門に確認してみるが、それもNGであれば現在は有効な治療方法はない。
もちろん、今後新たな治療方法ができる可能性はある。
ラジオ波の適応を聴いたところ、ラジオ波部門に適応を確認することは可能だが恐らく適応はない。
肺に転移しているということは全身に転移している可能性があり、局所療法は意味がない可能性が高い。
症状がない状態でQOL低下のリスクを伴う局所療法は、効果の期待ができないので推奨しない。
以上が受診の結果でした。
次回の診察時にホルモン療法の適応確認の結果を聴いてから、ピックアップしたラジオ波で実績がある病院のセカンドオピニオンを依頼するつもりです。
続く。