僕は入院中のベッドで、人は誰でも、明日交通事故か何かで突然命を落とすかもしれないのだ。
そうなったとしても、大切な人が幸せに暮らせるように日々を生きることが重要なんだと思いました。
今回のことで、僕は、自分がいつ死んでもいいように遺言を残し、家族にどこかのタイミングで話をしようと思いました。
がん患者が奥さんに伝えたい遺言
遺言は奥さんと両親へ宛てようと考えました。
残された家族が苦労しないように、寂しい思いをしないように。
内容は至ってシンプルです。
奥さんにお願いしたいと考えたのは以下です。
1.僕の葬式やお墓などは、できるだけ質素にして欲しい。
2.僕や両親に義理だてすることなく、なるべく早く再婚して欲しい。
3.孫が欲しいと一度も言わなかった、一人息子しかいない両親の世話をする必要はないので、できれば再婚していても亡くなるまで時々会いに行ってあげて欲しい。
4.もし両親から遺産を相続したら、再婚していても法事や墓参りをしてあげて欲しい。
がん患者が両親に伝えたい遺言
両親にお願いしたいと考えたことは以下です。
1.僕が家を買うために援助してくれるといっていたお金は、何があるかわからないので自分たちのためにとっておいて欲しい。
2.奥さんがすぐに再婚することと、両親の世話をできないことを許してあげて欲しい。
3.奥さんが再婚していたとしても、遺産を奥さんにあげて欲しい。
そして双方に話した内容を伝えようと考えた。
まぁ、言わなくてもしてくれるとは思いましたが、同じ気持ちであることを伝えるだけでも意味はあると考えました。
話すタイミングは、それこそ明日交通事故で死ぬかもしれないことを考えると、早い方がいいかと思いましたが、それ自体で家族を悲しませるのはよくないので、よくよくタイミングを考えようと思いました。
そして、あとは少しでも健康に長生きできるように、できるだけのことをしつつ、例え今死んだとしても幸せな人生だったと言えるように、日々幸せを探し、残される家族に対しても、自分に対しても後悔しないように日々を生きるだけです。
と、まぁ、こんなことを考えたのですが、誤解のないように改めて説明すると、僕はまだこの時、リンパ節への転移の手術を受けた後のベッドの上であって、まだ末期がんの宣告を受けてはいないのです。
元来、やたらと前倒しで準備をしたがるたちなので、末期がんの宣告を受けたときの覚悟をこの時したというわけです。
なんとも気が早いと言われてしまうかもしれないですが、はじめてがんになった時や、この時、こんなことを考え、生き方を見つめ直したことで、この先に訪れた末期がんの宣告の時に役に立ったのかも知れません。
それは、もう少し先のことです。
続く。